クレジットカードを発行してもらうには、カード会社の審査に通る必要があります。
カード会社は、審査をして申込者がクレジットカードを持っても大丈夫か判断します。
審査は、その人の信用力調査ですので、当然、審査に落ちてカードが発行されない場合もあります。
なぜ、クレジットカード会社は信用力の審査しているのでしょうか。
カード会社は、先に立て替え払いをしているので、お金が回収できなければ損が出てしまいます。
これを未然に防ぐために、クレジットカード申請をしてきた人に対して、「この人はきちんと支払いすることができるかどうか」という審査を行なっているのです。
では、どのような事項を、どのような基準で審査しているのでしょうか。
クレジットカードがどのような方法で審査をしているのかと、審査基準について詳しく解説していきたいと思います。
クレジットカードの審査基準は?
クレジットカードの回収不能債権を未然に防止するために、カード申請後に審査が行われています。
具体的には以下の3つの審査基準について、対象者の信用力を調査しています。
- キャラクター(Character:性格)
- キャパシティ(Capacity:能力)
- キャピタル(Capital:資産)
これらは、頭文字を取って「3C」と呼ばれています。
それぞれどのような意味合いなのか詳しく見ていきましょう。
キャラクター(Character:性格)
キャラクターでは、その人が、カードで買い物するときに支払いのことまで考えて計画的にカードを利用することができる人かどうかを見ます。
しっかりと支払いをできる人がどうか、その人の性格など人格的な資質のことです。
クレジットカード契約について、よく理解し、契約に従って運用する意志があるかを審査します。
キャパシティ(Capacity:能力)
キャパシティでは、安定した収入があるかどうかを審査しています。
アルバイトやパートなど収入が低かったり、不安定だったりすると、きちんと支払いができない可能性があるからです。
勤務先や勤務年数などから客観的に判断されます。
キャピタル(Capital:資産)
キャピタルは、資産のことで、支払いを保証する担保があるかどうかを審査します。
収入が安定していても、急に退職を余儀なくされたり、収入がなくなる可能性もあります。
その際、担保として保証できるものがあるかどうかが重要となります。
これは勤務年数や持ち家などから客観的に判断されます。
3C+D(ディスクロージャー)
また、この3C以外に「ディスクロージャー」も判断材料として加味されます。
ディスクロージャーとは、申告に虚偽の記載がないかどうかです。
虚偽の記載があった場合は、3Cについて正しい審査が出来ないとみなされて、審査に落とされてしまいます。
このように、カード発行には「3C+D」の基準のもと審査がされていて、カードの申込書には、この3Cを調査する項目が含まれています。
スコアリング方式による審査とは?
上記でお伝えした、カード発行の審査は「3C+D」によって行われますが、これらはスコアリングによって審査結果が出されます。
申込書の項目ごとに、それぞれ点数が付けられていって、基準はカード会社ごとにも違いますが、一定の点数に達すれば審査に合格(クレジットカードが発行される)となります。
全ての人が、その点数で同じような結果になるわけでもありません。
例えば20歳の人と40歳の人で同じような申込み内容だったとしても2人とも審査が通過するとはいえません。
それぞれ年齢ごとにも基準を設けていますし、収入が低いからといって全ての人が審査落ちするわけではありません。
また、「この項目に限っては全ての人が、この点数は必ず必要」というような条件がある場合があります。
総合点は合格でも、その決められた項目があり、必要な点数に届いていなければ審査落ちしてしまうでしょう。
信用情報機関による信用情報の審査とは?
申込み内容の調査の他に、信用情報の調査も加わります。
信用情報機関で、申込者の過去のクレジット情報(利用履歴)を確認します。
もし、過去に不払いや返済不能となっている記録があれば、同じことをしてしまう恐れがあると判断されます。
過去に借り入れをしたことのある人であれば、その信用情報機関に、個人の金融関係の情報が全て登録されています。
過去のクレジット情報だけでなく、現在、他に所有しているクレジットカードがあるか、ローンを組んでいるか、借入れがあるかなど全て、カード会社は閲覧することができます。
ですから、全てカード会社には知られてしまうため、申込書に嘘の記載をしてもバレてしまいます。
これらの情報を元に、支払い能力を超えるような借金があれば、この人にクレジットカードを発行しても支払い困難だとカード会社が判断して、発行が見送られることになります。
さらに借り入れを増やすことになれば、申込者が苦しむことになるので、カード会社はそのような人にはクレジットカードを発行しません。
そして、スコアリングと信用情報に問題がない人のみクレジットカードが発行されます。
カード発行後の審査「途上与信」とは?
まず、与信についてですが、与信とは「信用を与えること」をいいます。
これは、取引の代金が回収できるまで、カードを使った人を信用してカード会社が一時的に商品代金を立て替えてることで、この与信によってクレジットカードは機能しています。
そして、クレジットカードは発行後も審査がされています。
クレジットカードには使用期限が設定されていて、期限が近付いてくると新しいカードが届いたり、再発行手続きの連絡がきます。
この時、再審査が行われていますが、これを途上与信といいます。
再審査は、申込みした時と現在の状況が変わっていないか確認する意味があって、例えば、引越したのに住所変更をしていない人などを確認する意味もあります。
また、この時、カードの利用状況も確認されます。
使い方に問題があったり、債務が明らかに多かったり、不審な点が見受けられれば更新は見送られます。
カード会社によって審査基準は違うのはなぜ?
概ねどこのカード会社でもこのようなカード審査のシステムを持っていて、大体同じような審査項目が設定されていて、同じような情報源によって審査が行われています。
では、なぜカード会社ごとに審査基準が違うことがあるのでしょうか。
それは、
・参照するデータが同じでも、それを評価するスコアリングの方法に違いがあるのと、
・カード会社独自の審査基準を加えて審査しているため
です。
例えば、銀行系などのクレジットカードの場合、その人の職業や担保などの有無を審査基準として重きをおいていますが、スーパーなどで発行される流通系のクレジットカードは、お店で買い物をしやすくするためにカードを持ってもらうという目的があるので、多少審査を甘くしてもカードを発行して、お店で買い物をたくさんしてもらおうという考えがあります。
また、ネット系のクレジットカードでは、自社のサービスの利用状況などのデータを参照することができるので、独自の審査基準によって信用力を判断することができます。
そのため、既存の信用力の調査だけでは審査に落ちてしまうような人でも、カードを発行することができるのです。